横顔

サウンドが変わる瞬間
セントラル愛知交響楽団 violin奏者
高嶋耕二さん



  あれは…平成15年の3月17・18日の大分県本匠村で行われた小・中学校向きの音楽教育プログラム、文化庁主催の「本物の舞台芸術体験事業」が初めての出会いでした。小松さんの紹介があり、小松さんより福井弁での挨拶で、和やかな雰囲気のもとで リハーサルが進められました。タクトが下りた瞬間、今までにないオーケストラの響きを感じました。いつも演奏している小品の曲でもゾクゾクしたことを今でも覚えています。(楽員みんないい顔していました。)そんな中、さらに感動し涙がこみ上げたことが印象に残っております。それは合唱との共演でした。リハーサルでの中学生の歌声は、か細く輪郭のボヤけた合唱でした。小松さんの熱心な指導が始まるなか、オーケストラは休憩に入りました。ところが本番では、生命を感じさせる素晴らしい歌声に変わっていました。どんな指導を小松さんは生徒にされたのか興味津々になりました。(弁当食べてるんじゃなかった!)本番は素晴らしい演奏会でした。また小松さんにもセントラル愛知の音楽教育プログラムに感動して下さったことも大変うれしく心に残っています。
 
 ちょうどその頃次期音楽監督を選出する時期が迫っていました。。数週間して事務局長より小松さんに打診中との知らせを知り、(思わずニンマリ!)嬉しさ半分、不安が半分の複雑な気持ちでした。というのも小松さんとセントラル愛知との関わりが十分でなく、定期演奏会などの本番も皆無で、いい返事がくるのだろうか、そんなふうに思っていました。
  
 音楽監督決定の知らせを受けたときには、驚きと幸せを感じました。(季節に例えるならば、春かな?) 五月の定期、就任披露演奏会、七月の定期、十一月の定期(実は本日12日が 本番)と自画自賛のようですがセントラル愛知のサウンドが変わってきたように思えます。これから第九にクリスマスコンサートに忙しい時期が続きますが、小松さんの棒に集中し、全身で感じ、いい演奏を聴衆の皆様にお届けしたいと思います。また小松さんと更に信頼関係を深め、新しいセントラル愛知交響楽団の歴史を共に築いていきたいと思います。よろしくお願いします。

2004年11月12日

セントラル愛知交響楽団  Violin奏者 高嶋耕二


エッセー『音楽監督就任にあたって』


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