カール・マリア・フォン・ヴェーバー (1786−1826)
歌劇「エウリアンテ」作品81 序曲 (1823年初演)
「魔弾の射手」で有名なヴェーバーによる歌劇「エウリアンテ」は、台本が荒唐無稽なため、その傑出した序曲のみが重要な管弦楽レパートリーの一つとして今日まで取り上げられている。 炎のような冒頭は、アドラーが恋人エウリアンテへの熱情と神への信を表するアリア Ich bau’ auf Gott und meine Euryanthe( “私は神と愛しいエウリアンテを信じます” )から引用され、第二主題は、同じくアドラーが恋人への嫉妬と猜疑心から祈るように歌うアリア O Seigkeit, dich fass’ ich kaum ( “ああ 至福がどうしても手に入らない” )である。 8本のヴァイオリンそしてそれにヴィオラの不気味なトレモロが加わる中間部の一節は、恋人の戦死で服毒死したエマ(エウリアンテの友人)の亡霊を表現する。 序曲は充溢した勝利感で締めくくられる。
2006年1月26日セントラル愛知交響楽団定期演奏会のプログラムの曲目解説として書かれたものです。