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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
曲目解説
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セルゲイ・ラフマニノフ (1873-1943)
Sergei Rakhmaninov
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調、 作品18 (1901年初演)
Concerto For Piano and Orchestra, No. 2, C Minor, Opus 18
交響曲第1番とピアノ協奏曲第1番の不評、とりわけ楽員と指揮者の冷酷な態度に深く傷ついたラフマニノフは、重度の躁鬱病に苦しみ、天命と信ずる作曲も4年間全く出来なくなったが、藁をもつかむ想いで受けたニコライ・ダール博士の催眠・退行告白療法により4ヶ月で回復した。 第2番の協奏曲は、そのダール博士に捧げられている。
第1楽章 Moderato
意識の水平線から立ち現れるようなピアノ独奏の短い前奏の後、暗夜を歩む足音とともに第1主題が現れる。?憧憬と美にみちた第2主題は、ラフマニノフがすぐれた歌曲の作曲家でもあった事を諒解させる。
第2楽章 Adagio Sostenuto
孤独な無言歌は、木管、ソロピアノ、ヴァイオリンなどによって、それ自体が美しい3連符の伴奏上で奏される。 魂の独白を聴く様である。
第3楽章 Allegro Scherzando
軽妙なスケルツォとフィナーレの両性格を兼ね備えた、歓喜と勝利の音楽。中間部から前述の過酷な困苦、そしてそこからの解放も克明に表現されている。
2006年9月9日OSN日本ツアーのプログラムの曲目解説として書かれたものです。
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